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「食人女子高生探偵」 おるれあんず


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 タイトル以上の説明不要。男子生徒に人気の美少女、底なしな食欲旺盛さも(ギャルゲー文脈上)キュートな主人公・彼喰(かぐらい)いすなは、その裏に"食人"(カニバリズム)というおぞましき嗜好を隠す。そんな彼女は、最近世間を賑わす毒性鼠発生事件に、友人であり探偵事務所の娘でもある芥てぅ経由で関わってゆくことになるが――。

 前提としてのカニバリズムという共感不能のぶっちぎれた設定と、女子高生探偵、悪意ある科学者などと垢ぎれて共感遅滞のストーリー展開は当然のごとく噛みあわず、「動物達を自分たちの都合で勝手に改造したり殺したり、本当の化け物はあたし達人間なのかもねぇ・・・」など"とっぽい"児童の夏休みの自由研究みたいなオチはあまりに食傷(ベタ)的。そもそもいすなの行動の基点となる動機や由縁が不分明であり、にもかかわらずなんか事件解決しちゃってるこの便宜的な物語は、筋もテーマも不見識でありシリーズ然としたシリアスさに対しあまりに空虚。

 だいたい、"毒性鼠"によって人間の死傷者が発生したわけではない(らしい)のにどうして事件化したのか疑問だし、事件化したのなら真っ先に鼠(マウス)を扱う科学者が疑われて当然、鼠なんて今都市ではめったに見かけませんし、高名な科学者ならいざ知らず得体の知れぬ探偵の出しゃばってくる案件ではないのでは。人を食らうことと鼠を食らうことが同列に扱われているのも説明なしには理解できないし、脇が甘すぎてもう舐めちゃいたいくらい。
 ただまあ、そんなデオドラントな内容をぜんぶ棚に上げて、漫画としてのみ見ると、喜怒哀楽のキャッチーでごく安定したキャラデザインとコマ割のスピード感が秀でており惹かれるのも確か。

 人の指を食い千切ったりといった画然たるグロさに倒るインパクト勝負でない、そうせねばならない彼喰いすなの宿命のようなものを共感的に描いていってくれたら、今後面白くなる(楽しめる)かもしれないなあと、期待を込めて思いました。


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