森の路はずれ
「ゴリラの執事」 泥舟海運
- 2012年5月14日 03:34
- 同人誌・即売会
大人しいというより根暗気味、13歳の読書好きなお嬢様・カトリーヌ、そんな彼女に仕えている執事・ローラは誰がどう見たってゴリラ!(霊長目ヒト科ゴリラ属)。けれど礼儀正しくやさしく力持ちで、二足歩行だって出来ちゃう、お嬢様思いの素敵な紳士です。そんな美幼女と野獣の他愛ない(?)日常をメルヘンチックに(?)描いた、まあゴリラの描画があまりにもアレでちょっぴりアレなんですが、基本的には微笑ましい漫画でございました。
ただ、瞳が大きくあどけない幼女キャラ(デザイン)は個性的で愛らしいが、クオリティーは不安定で、朴訥というか、漫画としてやや生硬な感がありますね。まるで乾ききっていないタオルで顔を拭くかのような、インパクトありすぎるリアル志向のゴリラ描画、その濃さを、薄めることなくストレートで飲まそうとするこの漫画の趣向は、ぶっちゃけ人を選ぶんじゃないかと思われます。
題材的にむしろ絵本のようにしちゃった方が良かったんじゃないですかね。ただこの作品で印象に残ったのは、カトリーヌがローラのことをまったく怖がらない、驚かないということ。寝起きでゴリラの顔が近くにあったら、普通なら心臓が止まっちゃうくらい驚くものでしょう? 作品として、そんなネタで読者の気持ちをまずつかんでも良かったのに、カトリーヌは彼に起こされても、朝の支度を促されても、あくびしながら寝巻き姿のまま廊下を歩いてる。
ああ、これは何よりゴリラへの愛に溢れた漫画なんだなあと。「彼が何なのか、詮索はしません」、自分にとってかけがえのない、大切な存在、そのやさしさといつもそばにいてくれることに報いと、感謝の気持ちを示すには、何であれ相手のことを傷つけないことであり、どうすれば傷つくかということを生理反応の次元で”わかってる”。それが、なんだか妙にうれしく感じられたのでした。
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「ラビングアンプ」 本田兄弟
- 2012年5月13日 12:46
- 同人誌・即売会
大気に国境もなかろうに、二酸化炭素(ようするに空気)を国際取引しちゃってる人間社会ですもの。近代的な悪魔が人間の魂の総量を価額化し、それをもって彼らと取引をする悪魔契約社会もまんざら絵空事(フィクション)とも思えませんよね?(いえ、フィクションです)。そんな世界観にあって、召還されて人間界にやってきたパンツ丸出し・馬鹿丸出しの貧乳悪魔少女は、召還主である褐色イケメンにして大金持ち(魂的な意味で)の男性に、1日2万という破格の条件で専属契約を取り結ぶよう要請される。
貧すれば鈍す、されど貧乳は金で買えない、どうなる悪魔? どうもこうもラブコメ。愛想のない物腰ながらカップルを装っている必要上恋愛面ではやけに積極的、ターバン巻いたらさぞ似合いそうな褐色王子(とその家庭内事情?)に、悪魔の沽券はどこへやら、ピンポン玉のように振り回される彼女だが、そこはイケメン特権(アドバンテージ)、とうに惚れてしまわれているご様子でして…。頭がゆるゆるなだけに(?)根も正直な彼女の、”満更でもない的”リアクションがとってもキュートな作品でございました。
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「首無し勇者はかくありき」 反転空間
- 2012年5月13日 05:54
- 同人誌・即売会
この世の同人誌に表紙詐欺はつきものだと、つい先日も言及した気がいたします。「首無し勇者はかくありき」、という看板(タイトル)に偽りなき首なし死体を抱かかえてる眼帯少女の表紙。こんな”えげつない”表紙&このサークルさんらしいタイトルなのに、どうして、こんなラブコメが展開してる(できる)のかっ! 良い意味で、すごくうれしい意味で裏切られました。
幼なじみ同士のラブあり、グロい笑いあり、バトルあり、意表をつくストーリー展開あり、残りは血みどろのやさしさで出来てます、面白さ濃縮2倍のファンタジー漫画。いやあ、ラブコメって本当にいいものですね。あんなに飛び散ってるのに、惨殺(?)されちゃってるのに! どちらかというと女性向けのさわやかな余韻に浸れます…。勝てば官軍、恋はいつでもアクロバティック。
狩人一族の生き残りにして魔王の幼なじみでもある眼帯少女は、魔王城近くに現れた勇者を討伐した直後、応援に来たはずの宰相によって出し抜けに瀕死の重傷を負わされてしまう。九死に一生を得て朝を迎えた彼女は、なんと、首を刎ねて殺したはずの勇者、妙に馴れ馴れしい首なし勇者に介抱されていたのだった! 「誰にも負けない強さを手に入れるためさ」、一見キザにも思えるこの台詞が不覚にもグッときた。HP(体力)が異様に高いラスボスって、ビジュアル化するとこういう戦いぶりなのかもしれないなあ、とこの漫画を読んでて思ったり、裏表紙を見てニヤニヤしたり、表紙に戻って「そうか、これって『彼女に首ったけ』ってことか」w
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「スモーキー・ピンク」 9×9
- 2012年5月13日 04:33
- 同人誌・即売会
ある俳人の方のコラムを読んだのですけど、俳句だけでは食っていけないのか(!)アルバイトとして働いている小料理屋の店主が、じつに突拍子のないメニューを創作される方なんだそうで。たとえば「赤だしにミニトマト」とか、「ポテトサラダにじゃこ天」。「『え』と一瞬たじろぐが、食べてみると美味しい」。そして筆者は記す、「俳句を始めたとき、ルールが多いなと感じた。季語がなければダメ、かといって二つあるとダメ…でも実際は、季語がない名句も、二つある名句もある。そのうち、これはルールではなくレシピなのだと気がついた。数百年の俳句の歴史の中で俳人たちが培ってきた、こうすれば良い句になるというレシピ」なのだと。
そこで筆者は「赤だしにミニトマトのような自由な俳句を作」りたいと思い、僕は僕で思いついたのです。単刀直入に、たとえば異性愛って俳句でいうところの季語や言葉遣いと同じ、ルールではなく、人類の誕生以来「こうすれば良い」と培われてきた性愛のレシピに過ぎない、あるいは今はレシピ化(相対化)している時代なんじゃないかって。
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「祝福されたこどもたち side.F」 睡蓮
- 2012年5月 7日 07:11
- 同人誌・即売会
「子どもの笑顔は未来の希望」。東日本大震災を受けて語られる感傷的な言説には、どのようなものであれ心を動かされますね。しかし、このフレーズに言う未来とはいったい誰の未来でしょう。当然子どもたち自身のもの?自分たちが老後に受け取る年金(≒希望)を子どもたちがちゃんと稼いでくれる未来のこと、でないと言い切れる大人は果たしているでしょうか。
幼女を略取し監禁するというえげつない体裁を取りながらも、心の平穏を手に入れた繊細な青年と、そんな彼を慕う折り目正しい彼女の、ひっそりとした生活の憂愁と破滅的な結末を”しとしと”と降る雨のように描いた「終わらない夏休み。」シリーズが、僕の心に今も残っているホリイアキサトさん(サークル睡蓮)待望の新シリーズでございます。実に4年ぶりとなるという今作は、強大な敵国が放った奇妙な”兵器”によって、国中のほとんどのモノが”羽根”と化し、人ですらも稀に羽化して死んでしまうようになった小国に住む、両親に続き自分たちまでもがその運命にある幼き姉妹の悲劇を描いた物語(ファンタジー)の前編。
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「富豪の三男」 GUPLUS
- 2012年5月 7日 01:21
- 同人誌・即売会
タイトル通り「富豪の三男」にしてゆとりある物腰ながら、貧乳とツンデレが「大好物」と言って憚らないスケベなイケメン・蓮見三朗を主人公に、彼の許婚にして彼の期待に十分沿える(?)貧乳&ツンデレ、心の底では三朗のことが好きなのに素直になれないいたいけで心優しい女の子・頼子との、セクハラトーク以上ピロートーク未然なやりとりを描いた4コマ漫画でございます。蓮見家のメイドにして巨乳・みつあみな少女も交え、エッチだけど爽やかで可笑しく、きわどい話しているのに妙にハートフルなニヤリング風味がとても印象的ですね。
三朗によるエロい言動や、それを受けた頼子たちの反応自体をオチとして4コマを締めくくるのではなく、そんなスケベ根性・色っぽさを道具立てに、さらにネタや展開を組み上げて、一歩先というか、ちょっぴり奥にある三朗と頼子の人間味が描かれていて/あたたかみが感じられる、そういうのって素敵だなあと思いました。描き方というか、スタンスとして。
相手のありのままを認める・受けいれる、なんて言葉にするとキレイゴトのように聞こえるけれども、それって相手の悪いところを含めての話なんですよね。一般的には変態と言って差し支えない三朗のスケベな振る舞いに、お年頃であり免疫もない頼子は当然困惑し、抵抗するんだけども、彼に惹かれている気持ち・事実までは揺るがない。それは、あくまで対等の立場にたったスケベだから、なんですよね。相手は富豪の息子であり、自分はしがない動物病院の娘。立場なり財力を利用すれば三朗は容易く頼子をモノにできるわけですから。
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「魔法少女すずな30」 コーポ侍203
- 2012年5月 7日 00:10
- 同人誌・即売会
表紙にひかれて手に取り、中身をパラパラとめくって、「あれ?この子出てこない…」。同人誌界にあって表紙詐欺の撲滅は困難を極めるが、表紙に描かれているような金髪ツインテ魔法少女はいっさい登場しないというこの作品の極北っぷりはどうよ。まるで電話口ではなく玄関先で「オレオレ、タケシ」とオレオレ詐欺かますような蛮勇っぷりに、僕はいっそ天晴れなものを感じて購入いたしました。
20年前、世界を救いメディア等でチヤホヤされたものの、半年もせずに人々から忘れ去られ、以来20年間ひきこもり生活を送っているという30歳の"元"魔法少女・鈴鳴すずなと、そんな彼女に、一身上の都合から魔法少女としてカムバックして欲しい魔法動物・モルチャックの、ダメすぎるやりとりをキレのいいコントで縦横に描いた、魔法少女モノにしてひきこもり系のギャグ漫画でございます。むっさい戦隊風味もあるよ!
この鉄壁な設定だけ読んでも面白くないわけがなかろうというものだし、そのうえ作者の人が「2・3年作っては直してた」言うだけあって、無駄ゴマが削ぎ落とされてエッセンシャルな笑いがところ狭しと詰まっとる。重度のひきこもりが玄関のドアを開けて外に出て、"隣近所の人たち"と交流するというだけなのにこの抱腹。「※すずなちゃんは「働く」と聞くと過呼吸で倒れてしまうのだ」「自分で言ってもダメなの!? ホント駄目だなこの子ー!」。まあネタ的にズルいといえばズルいし、特定の敵(ボス)がいるわけではないようで、そもそも何と戦いにウチから出るのか、この先どう展開していくのかまったく読めないけれども。それだけに予想のつかない笑いに期待大。真の敵は己が怯懦である(?)。
ぶっちゃけお話なんてグダグダでいい、この笑いのツボを押さえ、ブレずに突き進んでいって欲しい。そう、表紙が詐欺でなくなるそのときまで…(でもさらに2・3年待たされるのは勘弁な)。
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「かすみのそら みなみ短編集」 からふるぱれっと
- 2012年5月 6日 23:11
- 同人誌・即売会
どこか親しみの感じられる漫画だなと思って、買い、あれ?どこかで読んだことがあるかもしれないと読んで思って、そういや「まんがタイムきららMAX」でゲスト連載していた作品だということを思い出しました。そんな表題作「かすみのそら」を含め、4コマ漫画雑誌に掲載された3作品と未掲載の続編を収録した短編集でございます。ヒロインたちのゆるいやりとりをひねりなく描いて素直に可愛らしいが、メリハリも面白さもややゆるい、良くも悪くも標準的な萌え4コマ漫画たちではありますが、個人的には3編目、無口・無表情な彼女とそのご機嫌伺い的犬的彼氏、そんなカップルを描いた「ハニーバニー」が気に入りました。ラブコメ万歳。
せっかく付き合っているのだから、手をつなぐとか、恋人同士らしいことをしようとする彼氏を表情筋だけで軽くあしらい、あざ笑うかのような態度をとる彼女。キツいわけではないけれどとっつきにくく、小悪魔的というほど意識的ではないがどうにもつれない彼女の振る舞いに、「もしかして嫌われてるんじゃ…」と彼氏が思い始めるタイミング、絶妙な配慮でデレる彼女が甘すぎるッ。この甘さは、例えるならば回転寿司の〆で食べるシンプルなバニラアイス。酸味と塩味でぐったりした舌で圧倒的にとろける控えめな萌え。これは3話4話と言わずシリーズ化して欲しいと思わせる素材ですね。恋のライバル登場エピソードまだー?
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コミティア100に行ってきました
- 2012年5月 6日 04:15
- 同人誌・即売会
繰り返します、コミティア100に行ってきました。現地には朝10時に着いたんですが、サークル参加列が正門入り口近くまで伸びていたり、一般参加の最後尾を目指してテクテク歩いていったら館内を出されちゃってw駐車場に設定された待機列を見下ろしたときには、「これってコミティアだよね? もしかして同時開催の別イベントじゃないよね?」とか思ってしまいました。これはナニゴトかと。竹箒とかと?どうやらコミケで長蛇の列を傘下に治める超大手サークルが今回いくつも参加されているようで。列に並んだ後、「○○サークルの本を最初に買われる方は、列を外れて別の場所に移動しまーす」と、スタッフの方が改めて誘導していました。この対応はいいですね。僕は壁サークルとは一切関わらない(島サークルが壁にいったら買わなくなるというくらいの原理主義者)ようにしているので、目当てのサークル・ジャンル種別に行列を分別(!)してくると助かるんです。
100回記念ということで、東館1・2・3ホール・史上最大の開催となったコミティア。まあ僕の参加歴は直近の10回程度に過ぎず、コミティアの歴史を文脈で語れるほどのツワモノじゃないんですが(せめて開場時の拍手は心を込めてしときました)。100回記念と言うことで(?)場内を埋め尽くしたはいつものカレー臭ではなく、富士宮焼きそば臭。これがまたじつに美味しそうでさあ。同人誌即売会の開会中・行動中は何時間でもお腹がまったく空かずトイレにも行きたくならない特異体質を獲得している僕ではありますが、あの富士宮焼きそばの濃厚なかほりは食欲をそそるというよりもいっそコンセプチュアル。ちなみに海老名SAで食べた富士宮焼きそばにはタコが入っていましたよ? コミティアの富士宮焼きそばにタコは入っていたか、タコは。
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亜麻色の髪のアクビ
- 2012年5月 1日 05:20
- ラグナロクオンライン

世界中のすべての人々が、同時にひとつの音楽を聴いている時間、世界は具体的に平和となり、そんな、世界をまたたくまに平和にする音楽とは、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」だと、ラジオで誰かが熱く語っていましたっけ。なるほどそういう発想があるのかと…。そういや、東北大震災直後のソフトバンクのCMで印象的に使われていましたね。確かに、こんな美しい曲を聴いているときに、拳銃のひき鉄をひく気にはなれませんよね。そうですよ、こんな美しいアークビショップ(アクビ)たんの網ストッキング(白)を愛でているときに、コミティアのサークルチェックをする気になんてなれませんよ。
というか、中途半端にサークルチェックするくらいなら、当日の開場から終了まで端から端までひたすら歩いて歩いて立ち読みして立ち読みして買って買って買いまくるだけの脚力と気力と財力を蓄えておいた方がいいと思うんです。脚力はまあ大丈夫、仕事の行き帰りはいつも歩きだし、仕事でもなんやかやと歩き回ってますからね。でも財力は無理、僕は清く正しく貧しく、しかもアルパカ買っちゃったし。だから今はひたすら気力を充実させるターン。そして、僕の気力を今もっとも充実させてくれるのが、アクビたんの網ストッキング(白)というわけです。どうですかこの重ねがさねな論理的整合性。世界中のすべての人々が、同時にアクビたんを操作すれば、世界はまたたくまに平和になると思うんだけどなあ。
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